お金の勉強をすれば、不安がなくなると思っていました。
保険のこと、税金のこと、老後のこと——なんとなく「知らないから怖い」だけで、ちゃんと学べばきっとすっきりするはずだと。難しい言葉が並んでいるだけで、理解できれば怖くなくなるはずだと思っていました。
でも実際は違いました。知れば知るほど「備えなきゃいけないこと」が増えて、しばらくの間は以前より不安になりました。
「勉強すれば安心できる」という仮説は、あっさり崩れました。
これは、なんとなくの不安から積立NISAを始めて、気づけばFP2級まで取得した私が、お金の不安と少しだけ仲良くなれた話です。完璧な答えはありませんが、同じように漠然と怖さを感じている人に届けばいいなと思って書きます。
最初の一歩は「なんとなく怖い」からだった
きっかけは、大したことではありませんでした。
貯金はしている。毎月それなりに残している。でも「このままでいいのか」という感覚がずっとありました。将来いくら必要なのか、今の貯め方で足りるのか、何も具体的にわからないまま、ただ漠然と怖かった。
同世代の友人と話すと、みんなNISAとかiDeCoとか始めてるらしい。でも「何から手をつければいいかわからない」という気持ちが先に立って、なかなか動けませんでした。完璧に理解してから始めようとすると、いつまでも始められない。そんな状態がしばらく続いていました。
そんな気持ちから、まず積立NISAを始めました。
最初は少額です。「とりあえずやってみよう」くらいの気持ちで、毎月決まった金額を投資信託に回すだけ。難しい銘柄選びもなく、ただ自動で積み立てていくだけの仕組みです。正直、最初の1ヶ月は本当に何も変わった感じがしませんでした。
でも、数ヶ月後に残高を確認したとき、思っていた以上に嬉しかった。
増えた金額が大きかったわけではありません。それでも「お金が働いてくれている」という感覚は、思いのほか自分の背中を押してくれました。「お金を動かすって、そんなに怖くない」と思えた最初の瞬間でした。小さな一歩でしたが、その一歩が次の行動を引き出してくれました。
FP3級の勉強で、不安の正体が見えてきた
積立NISAを始めてから、欲が出てきました。
投資のことだけじゃなく、保険の仕組みも、住宅ローンのことも、税金のことも、ちゃんと理解したい。そう思って手に取ったのがFP(ファイナンシャルプランナー)3級のテキストでした。
勉強を始めてみると、思っていたより面白かった。
生命保険の仕組み、不動産の基礎知識、相続の考え方——今まで「なんとなく難しそう」で避けていたことが、体系的に整理されていく感覚がありました。特に「自分の生活に直結する知識」として学べるのが、学校で習う勉強とは全然違う感覚でした。社会人になってこんなに勉強が楽しいと思ったのは初めてかもしれません。
3ヶ月で一発合格できたのは素直に嬉しかったけれど、それ以上に大きかったのは「自分が何を知らなかったか」が見えてきたことです。
漠然としていた不安が、少しずつ輪郭を持ち始めました。
「老後が不安」だったのが、「老後に必要な資金の目安がわかっていなかった」に変わります。「保険が不安」だったのが、「自分に必要な保障額を考えたことがなかった」に変わります。「税金が不安」だったのが、「控除の仕組みを知らなかっただけ」に変わります。
不安に名前がつくと、ずいぶん扱いやすくなります。「なんとなく怖い」と「これが怖い」では、向き合い方がまったく違う。それがFP3級を勉強して一番よかったことだと感じています。
FP2級まで取って気づいたこと
3級に合格したとき、正直もう十分かなと思っていました。
でも、勉強するほどに「もっと深く知りたい」という気持ちが出てきました。不安が可視化されると、解決したくなる。解決しようとすると、もっと知識が必要になる。そのサイクルが自然と生まれていきました。
FP2級の内容は、難易度がぐっと上がりました。勉強時間も3級の倍以上かかりました。それでも続けられたのは「知識が自分の生活を守る武器になる」という実感があったからだと思います。
ライフプランニング、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継——幅広い領域を体系的に学ぶことで、「自分の家計の地図」ができた感覚がありました。どこに何があって、何が足りていて、何を補う必要があるのか。全体像が見えると、不安の扱い方が変わってきます。
たとえば「老後2000万円問題」という言葉を聞いても、以前は「2000万円なんて無理だ」と思うだけでした。でも今は「月々いくら積み立てれば何年で届くか」という計算ができます。漠然とした絶望が、具体的な計画に変わる感覚です。
そして合格したとき、改めて気づきました。
知識は「安心」をくれるのではなく、「どこに向かえばいいか」を教えてくれるものだ、と。
お金の不安はゼロになりませんでした。出産を前にした今も、先のことを考えると不安になることはあります。子どもの教育費、産休・育休中の収入減、家のこと——考えれば考えるほどきりがない。でもその不安が以前と違うのは、「何もわからなくて怖い」ではなく、「やるべきことが見えているうえでの緊張感」になっていること。
それは全然、違う感覚でした。
お金の不安との「うまい付き合い方」を考えてみた
FP2級を取得してから、お金に関する考え方が少し変わりました。完全になくすことはできないけれど、不安との付き合い方には「うまいやり方」があると気づいたからです。
1つ目は「不安を細分化する」こと。「老後が不安」「将来が不安」という大きなかたまりのままにしておかない。「老後資金がいくら必要か調べる」「今の積立額で足りるか計算する」というように、小さな行動に分解すると途端に動きやすくなります。
2つ目は「完璧を目指さない」こと。お金の勉強をしていると「もっと最適な方法があるんじゃないか」という沼にはまりがちです。でも「完璧な家計管理」より「続けられる家計管理」の方が、長い目で見ると絶対に強い。8割できていれば十分です。
3つ目は「定期的に見直す」こと。一度仕組みを作ったら終わりではなく、半年に一度くらい家計の状況を確認する習慣をつけると、小さなズレが大きな問題になる前に修正できます。
完璧な答えはありませんが、この3つを意識するだけでお金との向き合い方がずいぶん変わりました。
まとめ:小さく動き始めることが、一番の近道
お金の不安は、たぶんゼロにはなりません。
でも、向き合い方を変えるだけで、その重さはずいぶん違います。
積立NISAの少額投資でも、FP3級のテキスト一冊でも、最初の一歩は小さくていいと思います。大事なのは「完璧に備えること」じゃなくて、「自分のお金と向き合い始めること」。完璧な準備が整ってから始めようとすると、その日は永遠に来ません。
動き始めると、不安の景色が少しずつ変わっていきます。「なんとなく怖い」が「これをやればいい」に変わっていく。その変化は、実際にやってみた人にしかわからない感覚だと思います。
漠然と怖かった頃の自分に、そう伝えてあげたい。
そしてこのブログを読んでいる人にも、同じことを伝えたいと思っています。一緒に少しずつ、前に進んでいきましょう🦈


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